2017/02/07    08:30

在米メキシコ移民から本国への送金が急増

米国に在住するメキシコ人による本国への送金額が急増している。その理由は、大統領選挙戦中にトランプ氏が「米国とメキシコの国境に壁を建設する。その費用はメキシコ政府に負担させる。それを受け入れない場合は米国に在住するメキシコ人の銀行口座を差し押さえる」と発言していたことへの恐れによるものである。トランプ氏が大統領に就任してメキシコとの壁の建設についての交渉次第で、米国に在住するおよそ3500万人のメキシコ移民は、口座が凍結されることを恐れて、本国に出来るだけ多くの金額を送金しているのである。

トランプ氏が次期大統領になることが決まった昨年11月は、23億6290万ドル(2717億円)が米国から本国に送金された総額で、それは2015年同月と比較して24.7%の増加だという(telemundo47.com)。

トランプ氏は、「(ラテンアメリカからの)1100万人の不法移民を米国から本国に強制送還させる。メキシコとの国境3000㎞に壁を建設する」と公言していた。彼のこの姿勢が米国に在住するラテンアメリカ人に強烈にインパクトを与えたのが8月24日の出来事であった。アイオワ州での記者会見に米国のスペイン語放送で最も視聴率の高いテレビ局「UNIVISION」で一番人気のあるニュース番組のディレクター、ホルヘ・ラモス氏が出席し、トランプ氏と次のようなやり取りを交わした後に、彼はトランプ氏によって退席を命ぜられたのであった(UNIVISION NOTICIAS)。

ラモス氏は、「移民について一つだけですが、質問があります。あなたの移民プランは…」と言った途端、トランプは彼の質問を遮った。
そして、トランプ氏は「OK、次の質問者はだれかね」と記者席を見回した。
ラモス氏は 「トランプさん、一つ質問があるのです」と繰り返した。
それに対してトランプ氏は、「誰もあなたに質問してくださいとは言っていない、お座りください。お座りください。お座りください。お座りください」と4度繰り返した。

ラモスが席に座ろうとしないのを見て、トランプはボディーガードに彼を退席させるように指示したのであった。
その時点で多くの記者が「どうしてラモスを退席させたのだ」とトランプの方に向けて声を上げた。
その時、ラモスは記者室に戻ろうとしたが警備員がそれを邪魔した。それから少し時が経過してラモスは席に戻ることが許された。
 
その後、二人は口論となった。この口論で、もうひとつテーマになったのは、仮に親が不法移民者でも米国で生まれた子供には米国の市民権が与えられるという法律である。トランプ氏はそれも廃止しようとしているのである。
 
また、ラモス氏は1100万人の移民をどのようにして追放するのかという具体的プランを知りたかったと尋ねた。また、3000キロの壁を設けることは無謀で、しかも、現在、不法移民の40%は空港から入国していることをトランプ氏に伝えたという。更に、ラモス氏は、「2006年のPew Hispanic Centerの調査で、不法移民の45%はビザをもって入国しているが、その有効期限が切れても更新せずに米国に留まっている」ということが明らかにされている事をトランプ氏に伝えた。即ち、不法移民者の多くが国境を通って入国するのではないということなのである(Clarin.com)。
 
ラモス氏とトランプ氏のやり取りは全米のテレビで放映され、ラテンアメリカ市民に強烈なインパクトを与えたという。この影響もあって、トランプ氏が選挙戦で次第に有利な様相を呈するようになってから、メキシコ移民はより真剣に銀行に預けている預金の凍結を不安視するようになったのである。
 
これまでも、米国のメキシコ移民が本国に送金する額はメキシコ経済の重要な要素を占めて来た。2015年の原油の輸出は185億ユーロ(2兆1280億円)であるが、昨年の1月から11月までの移民による送金総額はそれを上回る246億2560万ドル(2兆820億円)にまでなったのである(telemundo47.com)(EL PAÍS)。
 
現在もトランプ氏は国境の壁の建設に拘り、その建設費用をメキシコ政府に負担させると主張している。一方、メキシコで2000-2006年に大統領を務めたフォックス元大統領は、40万人のフォロワーをもっているツイッターを利用して、「トランプの壁は米国民が払うべきだ」とツイートした。(EL MUNDO)。
 
輸出の80%を依存している米国に対して、ペーニャ・ニエト大統領が、トランプ氏の傲慢さにどこまで強硬な構えを見せるのかが、今後注目される。

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