2015/01/13    13:00

「言論の自由」か「ヘイトスピーチ」か 仏週刊誌テロが示す寛容な社会を創る難しさ

フランスで起きた連続テロ事件は、「国内でのテロ計画をいかに防ぐか」「表現の自由と宗教への寛容性とのバランスをどう保つか」という課題を示したものと言える。

週刊誌「シャルリ・エブド」を襲撃したシェリフ・クアシ容疑者は、2005年に過激派組織に関与した容疑で逮捕された前科があった。また、逃走中に印刷会社に立てこもっている最中にフランスのテレビ局の電話インタビューに応じ、アルカイダの指令や資金提供を受けていたと話している。

AP通信によると、イエメンを拠点とする国際テロ組織アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」のメンバーが、イスラム教の預言者ムハンマドの名誉が汚されたことへの報復として、容疑者たちに週刊紙本社襲撃を指示したと、語ったという。イスラム国や世界各地のイスラム過激派組織も、相次いで犯行を称賛する声明を発表した。

クアシ兄弟もクリバリ容疑者も、フランス生まれ、フランス育ちの移民の子弟。彼らのような「ホームグロウン・テロ」の問題が、フランスでは表面化しつつある。移民たちへの差別が、背景にあると言われている。

シリア内戦でイラクやシリアでのジハードに参加しようと出国したフランス国籍を持つイスラム系移民は約1千人とみられている。このうち約400人が戦闘に加わり、50人近くが死亡した。

フランスのジハーディストは昨年だけで、58%も増えたという。10年前は30~40人だったが、今では1200人が潜在的な脅威になっている。フランス国内でのテロは、起きるかどうかではなく、いつ起きるかの問題になっていた。

テロリスト予備軍はパリ郊外だけでなく、フランス全土に広がっている。フランスではテロ対策法が強化され、出国を防ぐため旅券を没収できるようになった。少なくとも20人は24時間の監視が必要で、危険人物すべてを監視するのは極めて困難なのが現実だ。
(BLOGOS 「風刺週刊紙テロはどうして防げなかったのか? 加速する過激化スパイラル」(木村正人) 2015/01/09)

 

「言論の自由」はどこまで?

もう一つの問題は、言論の自由と宗教への寛容さとの兼ね合いだろう。言論の自由があるとしても、宗教を笑いものにするような表現は、ヘイトスピーチにもなり得る。もちろん、それに対してテロ行為で報復するのは絶対に間違っているが、行き過ぎた表現で宗教を風刺することが、多くの人々を傷つける行為であることも事実だろう。

今回、襲撃を受けた週刊誌は、過去にもイスラム教を笑いものにするような企画を掲載してきたという。

今回狙われた新聞社は、左派的で無神論的なスタンスを取り、過去にも宗教への冒涜行為を平気で行ってきた。

2011年に「預言者ムハンマドを同紙の新しい編集長に指名した」という題で、「笑いすぎて死ななかったら、むち打ち100回の刑だ」と揶揄するようなセリフがついているムハンマドの風刺画(画像1)を掲載した。その翌日、同紙事務所に火炎瓶が投げ込まれ、事務所が全焼するという事件があった。

さらに同年、同紙が預言者ムハンマドを同性愛者として描いた風刺画(画像2)を掲載した結果、同紙ウェブサイトがハッカーの被害を受けている。内容はさらにエスカレートして、最近の号では、「イスラム国」が預言者ムハンマドの首を切るマンガまで掲載していた。
(ザ・リバティWeb 「宗教への冒涜は『言論の自由』か? イスラム勢力による仏『シャルリー紙』襲撃事件」 2015/01/09)

今回の事件については、「表現の自由への攻撃」という見方がある一方で、様々な宗教を信じる人々が共生していくためにはどうすべきか、という論点も示していると言える。

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