2017/01/20    13:00

「いじめ」はなぜ起きる?

先日、お会いしたお母さんが、
「今、息子が受験なんです。3月まで気が抜けないのよ」
と話していましたが、
現在、受験生は最後の追い込みのために日夜をついで努力し続けていることだろうと思います。

学校の方は、冬休みも終わり、新学期を迎えています。
この時期に起きるいじめは、早期解決が絶対です。
多くの学校では、問題を先送り、つまり学年が上がるまで店晒し(たなざらし)状態にしがちだからです。
気になっている保護者の方がいらっしゃいましたら、早めに学校に相談してみてください。

さて、年末のことですが、事務所まで取材に来てくれた高校生が、学校に提出した論文のコピーを送ってくれました。
その中に、「いじめは差別によって起きている」と読める一文がありました。

しかし、一言で言い切るのはどうだろうか、という気もします。

「なぜ、いじめは起きるのか」ということを言い換えれば、
「人はなぜ、他人をいじめるのか」ということになると思います。

難しい質問です。
様々な書籍を読んでみてもよくわかりません。

「人それぞれいじめる理由は違う」と言っても正解でしょうし、
「人は人を区別し差別化するからだ」というのも正解のようにも思えます。
「人は閉空間に押し込められると、自分の領域を増やそうとする」という考えもあります。
「いじめ」という言葉は、簡単に口にすることはできるのですが、
「いじめの原因は何か」の答えを出すことは、なかなかに難しいものです。

この問の答えは、山のようにあり、しかも、それぞれの考えは間違ってはいません。
どれもが正しいと言えます。

結局、答えがありすぎて、絞り込めないところが難しいのです。

いじめが起きる原因をさぐるためには、
逆に「自分が絶対にいじめない相手がいるとしたら、それは誰か」
と考えてみると答えに近づくことができるかもしれません。

この答えは、「自分」となるのではなでしょうか。

自己卑下とか自己否定の感情を別として考えると、
「自分は、自分をいじめない」のです。
従って、いじめが起きる原因は、「他人は自分ではない」と考えるところに原因があるように思います。

つまり、「他人をいじめたところで、自分は苦しくない。それどころか楽しく思うこともある」
だから、「いじめは起きる」のです。

「他人は自分ではない」というところを出発点として、

「あいつは外国人だ」

「むしゃくしゃする。あいつで憂さ晴らししよう」

「あいつが泣くのは面白い」

「ざまあみろ」

「あいつはいじめられてもしょうがない」

「あいつをひきずりおとしてやろう」

全て、「自分でない他人」だからこそ、こんな酷いことを考えられるのです。

差別や、嫉妬、ねたみ、自己の快楽、ストレスのはけ口等々の感情は誰にでもあります。
この感情のままに動くことで、「いじめ」が起きてしまいます。

しかし、そんな感情が起きても、そのままいじめに走る子は少ないのです。
みんな我慢するものなのです。
「それは悪いことだ」、「やったら犯罪になる」、「人間として恥ずかしい」という気持ちが起きてきて、「いじめたくなる」気もちを抑える感情、つまり「理性」が働くものなのです。
理性が負けて「感情」が勝つような状態になることを一般的には「アニマル化」、「動物化」という言葉で表現していることも多くあります。

ですから、私たち大人は、
子供たちに「理性」とか、「我慢する心」、「自制心」の大切さを
自らの姿勢で伝えていかなくてはならないのではないかと思います。
「他人は自分ではない」からいじめるのですから、まず、「他人を自分だと思うこと」が大切です。
そして、一人一人の多様な個性を認める、違いを認める寛容さを養うことからスタートしていくことが大切だと思います。

さらには、「自分がされていやなことは他人にしない」という考えを子供たちに教えていくことは大人の大切な役割です。

今年も、早々にいじめ相談も入ってきています。
冒頭に述べましたように、この時期は、なお一層の早期発見、早期解決が必要です。
気になることが有りましたらご遠慮無くお電話いただけたらと存じます。

(著者のブログより転載)

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