2016/10/28    14:57

天皇は、"人間"か。――三笠宮さまの「譲位」論から考えたいこと

天皇陛下の叔父にあたる三笠宮崇仁さまが27日、心不全で亡くなられた。来月4日にも本葬にあたる「斂葬の儀(れんそうのぎ)」が執り行われる。昭和天皇の末弟である三笠宮さまは、皇位継承順位は5位。逝去されたことで継承資格者は4方となった。
 
三笠宮さまは陸軍大学校を卒業後、支那派遣軍参謀として南京に駐在。戦後はオリエント史の研究者として、大学の教壇に立たれた。
 
政府は、今上天皇が譲位のご意向を示されたことを受けて、有識者会議を開くなど対応を議論している。三笠宮さまは戦後、現在の皇室典範の案が国会で議論されるのに先立ち、天皇の譲位を認めることなどを盛り込んだ意見書を、まとめられている。
 
28日の日経新聞によれば、三笠宮さまは意見書で「『死』以外に譲位の道を開かないことは新憲法の第18条の『何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない』という精神に反しないか」と述べられていたという。戦後の日本が新たなスタートを切るにあたり、日本国憲法に盛り込まれた理念と天皇の存在は、どのような関係となるのか、腐心されていたことが伺える。
 
今上天皇の譲位のご意向を受けて、「天皇の人権」も考えるべきだという主張が、一部メディアなどから聞こえる。人権が全員に平等に保障されるべきであるなら、自身が亡くならない限り、地位を去ることができない天皇に、果たして人権はあるのだろうかという問いかけだ。こうした問いは、戦後の出発点において、すでに存在していたということである。
 
今上天皇の譲位をめぐっては、皇室典範を改正して制度として認めることとするのか、あるいは今回限りの特措法で対応するのかが、主な論点となっている。しかし、実際のところは、天皇は"人間"なのか、神あるいは神に仕える司祭なのか、もしくは制度なのかといった天皇の位置づけにこそ、議論の本質はあるようにも見える。

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