2016/08/05    16:27

防衛白書が言っていないことの方が、むしろ重要だ

2日の閣議で了承された今年度の防衛白書に対して、中国や韓国からは、お定まりの批判が相次いだ。
 
中国国防省は「中国の正当な国防と軍隊の建設についてでたらめな議論を展開し、中国軍に対する悪意に満ちている」と強烈な批判を加えた。竹島が日本領と記述されたことに反発する韓国は、公使らを呼びつけて抗議を行った。
 
韓国の抗議が相変わらずの年中行事だとして、中国側が噛みついた理由は白書の記述にある。中国が南シナ海での領土争いで、周辺国とのあつれきを深める中で、白書は「力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的とも言える対応を継続し、不測の事態を招きかねない危険な行為もみられる」と述べ、中国の活動に明確な懸念を表明している。北朝鮮の核・ミサイル開発と合わせて、昨年よりもページ数を割いて記述している。
 
だが、より日本の国防にとってより重要なのは、むしろ、白書に書かれていないことの方かもしれない。特に、白書が「わが国の安全保障の基軸であるとともに、アジア太平洋の平和と繁栄の礎」と無条件に持ち上げる日米同盟にこそ、死角が潜んでいる。
 
アメリカでは、11月の大統領選の候補者である共和党のドナルド・トランプ氏が、日米安保の見直しを示唆し、日本の核保有を容認する発言を行っている。従来のアメリカの立場からすれば、トランプ氏の発言は「暴言」かもしれないが、トランプ氏だけの個人的な見解と看過するわけにはいかない。
 
オバマ政権のもとでも、議会では財政赤字が重大な問題となり、国防費は削減の圧力にさらされた。そして、社会保障費を大幅に削ることが難しい以上、これからも国防費を削るべきだという議論は繰り返される。トランプ氏が大統領になれば、日米同盟に大きな転換期が訪れることは確かだが、たとえ今回の選挙戦で民主党が勝利したとしても、長期的には日米同盟をめぐる論争も終わることはないだろう。
 
日本に暮らす私たちにできることは、「自分の国は自分で守る」ということの大切さを見つめ直すことである。そして、日米同盟という大切な資産を生かしながらも、アメリカの動向がどう変わっても対応できるような国を守る体制を整えていくことである。

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