2015/03/24    17:00

「外圧」を使う左派メディアの手口 メルケル独首相の訪日を振り返る

リベラルなメディアがよく使う手法の一つに、「海外の要人の発言を大々的に取り上げる」というものがある。例えば米国務省の報道官が、歴史認識問題で日本に自制を求めればそれを大きく報じて、「日本は孤立している」と演出する方法である。

このほどその手法が際立ったのが、9日、10日にかけて訪日したメルケル独首相の講演会と首脳会談だ。主催した朝日新聞は1面トップで大きく報じた。

しかし、「メルケル氏来日」と聞いただけで、左派メディアが抜き出すであろう論点はすでに見えていた。①フランスとの和解を進めた戦後のドイツの歩みについてと、②福島の事故をきっかけにドイツが進めた脱原発政策について、コメントをメルケル氏から引き出し、自社の主張を代弁させるということだ。

朝日新聞の1面記事は、ネット上で「過去総括、和解の前提」という見出しが付けられ、書き出しは次の通りになっている。

安倍晋三首相は9日、首相官邸で来日中のドイツのアンゲラ・メルケル首相(60)と会談した。両首脳は混迷するウクライナ情勢への対応で連携することを確認したほか、両国経済の関係強化を目指すことでも一致した。メルケル首相は歴史認識についても触れ、会談後の記者会見では「過去の総括は和解のための前提になっている」と語った。
(朝日新聞 「メルケル首相『過去総括、和解の前提』 安倍首相と会談」 2015/03/09)

ドイツとの関係は重要でないわけではないが、同盟国のアメリカや軍事的脅威となってきている中国、歴史問題を長引かせている韓国に比べれば、外交上の優先順位が高いとは言えないだろう。その中で、首脳会談をあえて1面トップに出し、見出しでも歴史問題に焦点を当てたことに、朝日新聞の意図を感じさせる。

原発については、毎日新聞の社説がドイツの脱原発を持ち上げた。脱原発は「国民の願い」であり、「世界の潮流」なのだから、このままでは「日本は取り残される」と嘆いてみせた。

福島第1原発の過酷事故は、「安全神話」を打ち砕いた。地震国日本と原発は共存が難しい。再生可能エネルギーを増やし、省エネを進め、原発に依存しない社会を作っていこう。多くの人が真剣にそう願った。

それから4年。国民の願いは変わらないのに、政府はあの過酷事故を忘れたかのようだ。1月から始まった「電源構成」の議論でも、原発の維持が優先されている。これでは国民の願いに沿ったエネルギー改革はおぼつかない。

今、世界の潮流は再生エネの拡大に向かっている。欧州はもちろん、中国の伸びも著しい。それに引き換え日本の風力導入量は世界19位。太陽光は急速に伸びたものの、買い取り停止問題をきっかけに、固定価格買い取り制度(FIT)が変更され機運がそがれている。

このままでは日本は取り残され、ビジネスチャンスも失ってしまう。今こそ新しい時代を見据えて意識改革を進め、原発と火力を中心としてきた過去の制度やインフラなどを抜本的に見直すべきだ。
(毎日新聞 「社説:再生エネルギー 世界の潮流に遅れるな」 2015/03/12)

左派メディアはメルケル氏の来日を、歴史問題と脱原発という観点から、見事に安倍首相の批判材料として演出した。両国間にはウクライナ問題などの他の懸案もあるが、メルケル氏の来日は、国際問題の議論よりも日本国内の論争の材料にされてしまったと言える。

TOP NEWS

解明されてきた真相

2017/08/30  12:24

どうしてバルセロナでテロが発生したのか。

今そこに危機があるのに

2017/08/25  08:00

地球外からの攻撃に人類は一致団結できるか

Appleより優秀な人材が集結?

2017/05/16  14:05

電気自動車の先端を行くテスラモーターズ

早急に業務時間改善と意識改革を

2017/05/31  14:05

教員は子供の成長に寄与することが本来の仕事

ACCESS RANKING

1

スフィンクスはどれだけ古い?

古代文明は発展中ではなく既に遺産だった

3

5

スペイン発 ファッションの国際競争

ZARAのライバル、MANGOをご存知ですか?

8

アメリカの自動車王に学ぶ「経営に貫かれる奉仕

ヘンリー・フォードの経営思想

10

『ハムレット』などでおなじみの世界の文豪をつ

シェイクスピアに大きな影響を与えた思想とは

1

スペイン発 ファッションの国際競争

ZARAのライバル、MANGOをご存知ですか?

3

4

スフィンクスはどれだけ古い?

古代文明は発展中ではなく既に遺産だった

8

アメリカの自動車王に学ぶ「経営に貫かれる奉仕

ヘンリー・フォードの経営思想