2015/07/24    16:22

「日本は愛せない国になっていく」 朝日新聞への投書に見た戦後教育の病理

朝日新聞の「声」欄に17日付で載った投書が、ここのところネット上で、大きな話題を集めているという。22歳の大学院生が書いたものだというその文章は、日本が「70年前の教訓と民主主義に別れを告げようとしている」ため、「日本は愛せない国になっていく」のだという。

衆院を通過した安全保障関連法案については、憲法学者らが「違憲」という声を上げ、マスコミでも議論が沸騰した。民主主義の危機だといった声も聞かれる。この投書も、この法案が衆院で、いわゆる「強行採決」されるという流れ中で芽生えた危機感が、背景にあるのだろう。

しかし、この投書を読んで気になった点がある。それは、この日本という国は、安倍晋三という宰相ひとりの行いによって、「愛せない国」になってしまうほど、薄っぺらい国なのだろうかという点だ。日本という国は、1人の政治家が暴走して「戦後民主主義」を破壊したら、もうそれで「愛せない国」になってしまうのだろうか。

そして、この日本という国が誇るものは、「戦後民主主義」とか「憲法9条」とか、そういったものしかないのだろうか。ここでは日本の政治経済の状況のみに焦点が当たっているが、日本がこれまで2千年以上とも言われる歩みの中で培ってきた、歴史は、文化は、神話は、伝統は、どこに行ったのだろうか。

こうした問いの先に、戦後の歴史教育の問題点が透けて見えてくるような気がしてならない。「愛せない国」と書くからには、恐らくこの投書の筆の主は、この国を「愛している」ということなのだろう。しかし、筆者が本当に愛していると言っているのは、日本という国のことなのか、あるいは戦後の民主主義という体制なのか、どちらなのだろうか。そして、前者と後者はイコールなのだろうか。

もし日本という国が、1945年に建国されたのだとしたら、両者はイコールとは言わないまでも「ニアリー・イコール(≒)」にはなるかもしれない。しかし、日本の建国はそれほど最近のものだっただろうか。そして、もし仮に今回の安倍政権の動きによって「戦後民主主義」に亀裂が入ったのだとしても、それによって日本という国そのものが否定され、「愛せなくなる」のだとすれば、それはさすがにオーバーなのではないだろうか。

この投書が投げかけているのは、「戦後の歩みこそが日本そのものである」とでも言うかのような、戦後教育が教える歴史観の病理ではないだろうか。

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