2016/12/08    13:42

日本での永住権取得、世界最速レベルに

高度な専門知識を持つ外国人の永住権申請に必要な滞在期間を、最短で1年に短縮する方針を政府が固め、早ければ2017年度にも実施するという。
「永住権、最短1年滞在で 海外経営者・技術者」 日本経済新聞 2016/11/15〕

対象となるのは、学歴や職歴、年収や年齢、研究実績といった項目をポイントで評価し、合格点に達すれば取得できる「高度専門職」と呼ばれる在留資格を持つ外国人だ。

高度専門職」とは、2015年4月に追加された、入管難民法に定められた在留資格のうちの一つ。今回の制度見直しによって、申請までの滞在期間を、現在の5年から3年に縮め、評価ポイントが特に高い人は1年とすることを認める。

日本への高額投資をした人や、「モノのインターネット(IoT)」「再生医療」などの成長分野で貢献が大きい人のポイント加点を大きくすることも検討するという。

高度な技術や経営手腕を持つ優秀な人材の争奪戦が世界的に激しくなっていることから、人材を呼び込み、経済成長に結びつけるねらいがある。

永住権を取得すればビザを更新する手間が省け、自由な職業選択もでき、社会的な信用も高まるため、住宅取得や起業の際に銀行からの資金を借りやすくなるなどの利点があるとされる。

確かに、労働人口が減りつつある日本に優秀な外国人を呼び込んで、経済成長の契機にするというアイデアは悪くない。日本に腰を落ち着けて働きたいという意欲を持つ外国人にとっても、永住権取得の条件が緩和されることは、歓迎されるだろう。

しかし、忘れてはいけないのは、国防上のリスクだ。「高度専門職」の在留資格の取得者2688人(今年6月末現在)のうち、中国籍の者が過半数の65%を占め、その次が米国とインドの各5パーセントだという。誰も彼もを疑うわけではないが、領土問題やサイバー攻撃などで、日本に安全保障上の脅威を与えている中国からの人材が続々と流入する状況に、一抹の不安を覚えなくもない。

これまでも、日本から中国や韓国へ技術が流出したり、中国資本が北海道をはじめとする地方の水源の土地などを大量に買収するなどの問題が起きているが、それに対する政府の対策は遅い。移民や外国資本の流入に関わる負の側面への対応を考えないまま外国人の永住権の条件を大幅に緩和することは、安全保障上の問題を引き起こす可能性もある。

「鎖国」を勧めるわけではないが、危機管理体制を十分に整えた上での制度改正を望みたい。

 

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