2016/12/06    08:00

ソーダ課税は是か非か?――グローバルな略奪課税との戦いが始まった

今日の記事からは、税競争と税調和という耳慣れない言葉をキーワードにして、何回か記事を書いていきたいと思います。

以前、The New Standardに寄稿させていただいた「「パナマ文書」問題が生み出す国際的な徴税システムの恐ろしさ」で触れたグローバルな略奪課税の問題についてより深く考えていきたいと思います。

まず、このニュースを見ていただきたいと思います。
 

WHO:「砂糖を多く含む」清涼飲料水に課税を
(毎日新聞 2016年10月12日 10時46分)

世界保健機関(WHO)は11日、世界的に増加傾向にある肥満や糖尿病への対策として、砂糖を多く含む清涼飲料水への課税強化を各国に呼び掛けた。たばこと同様、課税により消費を抑える効果があるとしている。


WHOによると、世界の肥満人口は1980年から2014年にかけ2倍以上に増加し、成人の40%が太り過ぎという。糖尿病も80年の1億800万人から14年には4億2200万人に増えていると警告した。

WHOは「砂糖、特に清涼飲料水の消費増が肥満や糖尿病増加の主要な要因になっている」と指摘、清涼飲料水への20%課税で、20%消費を減らせるとした。その代わり、新鮮な野菜や果物の消費を促すため、価格を下げる目的の補助金を出すことを奨励している。

また、チリなど中南米諸国での清涼飲料水の消費が増えているほか、中国やサハラ砂漠以南のアフリカ諸国でも急速に伸びているとした。

さて、このニュース、良いニュースなのかそれとも悪いニュースなのか。果たしてどちらでしょうか。

実は、このニュースは悪いニュースなのです。

ニュースを読む限りでは、砂糖入り清涼飲料水に課税することで消費を抑制して、糖尿病を予防しようということのように読めます。

しかし、問題の本質は「世界保健機関という国際機関が、各国に対して課税を勧めている」ということにあるのです。

これを端的に表現した言葉が、タイトルにもなっている「グローバルな略奪課税」なのです。

 

■国際的な略奪課税に対して立ち上がる人々


2014年11月、ある書簡が公表されました。その内容は、日本を含めた22の納税者組織が、国家の課税自治権を脅かす国際的な略奪課税に対して反対を表明するものでした。

書簡については、書簡の日本における連携先である日本税制改革協議会のHP(こちら)からご覧いただけます。

書簡の結論にはこうあります。

結論:

主権に課税するというこれらの国際的な脅迫は、無視することができない事実です。そして、その危機は拡大しています。そのような方針は、製品のコストの増加を招き、世界中の低所得者を不当に傷つけます。このような欧州連合(EU)や国連(UN)の試みが成功してしまった場合、彼らの権力は計り知れないほど世界の隅々にまで浸透することになるでしょう。自由市場と税競争を支援するグループのリーダーとして、われわれは増税に対し、ありとあらゆる国際的機関の努力や試みにも断固として反対します。

今年はパナマ・ペーパーの公開に伴い、タックス・ヘイブンに関する議論が沸き起こりました。

グローバルな視点から見れば、これよりも前から経済開発協力機構が主体となって各国が税務情報、特に非居住者に関わる金融口座情報を税務当局間で共有する共通報告基準が策定され、日本を含む各国が実施を約束しています。これは、外国の金融機関の口座を通じた脱税及び租税回避に対応するために作られたものです。

しかし、これらの基準が国際機関である経済開発協力機構が主体になって作られた、税金を取りやすくする仕組みであるということが問題なのです。

経済開発協力機構のような国際機関は主権を超える存在であり、有権者が直接コントロールすることができません。税に関する問題は、国家主権に属する問題であり、国際機関が干渉してはならないのです。

我々有権者がこの事実に気付かなければ、コントロール不可能な国際機関が限りなく権力を拡大するという事態が容易に予想されます。
 

■グローバルな略奪課税との戦いが始まった

実は、課税を通じて権力を拡大させようとする国際機関に対して、納税者が国際的な連携を強化して事態が進行することを食い止める必要が出てくるほど、情勢は悪化しているのです。

言わずもがなですが、これらの国際機関に対して各国が提供している資源は国民から徴収した税金を原資にしています。各国の国民からの税金によって運営されているこれらの国際機関が、課税を通じた権力拡大を目論むことで、各国の国民の自由を阻害することは到底許されるものではありません。

我々は、自国政府の動向を厳しく監視するのと同じようにこれらの国際機関の動向も厳しく監視し、自国民の自由を阻害し、利益にならない行動を起こした場合には国際的な協働によってこれを阻止する必要があります。

グローバルな略奪課税との戦いが始まったのです。これは決して敗けられない戦いなのです。

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