2014/08/29    16:56

みんな知りたい安倍首相の歴史観

「日本を取り戻す」を掲げて第二期政権をスタートさせて以来、安倍晋三首相の歴史観は政権運営を揺るがすほどの議論の的となってきた。

就任当初は、戦後70周年を迎える来年を節目に、安倍内閣が新たな歴史認識を示す「安倍談話」を発表するのではないかという期待があった。しかし、野党や国内外のメディアの批判にあうと、安倍首相は主張を後退させ、現在では河野談話、村山談話を継承するという従来の政府見解に落ち着いている。

右翼も左翼も聞きたい「安倍首相の歴史観」
昨年末こそ靖国神社への参拝を遂げたが、批判をかわしながらの政権運営も、どこかで限界が来るだろう。先の第二次世界大戦について、安倍首相が自らの歴史観を示すべき場面は、近づいているのではないだろうか。

最近では、A級、BC級戦犯として処刑された元日本軍人を追悼する式典に、安倍首相が追悼の書面を送っていたことが問題視されている。29日付の朝日新聞は「聞きたい首相の歴史観」と題した社説で、次のように首相を批判している。

首相の口からぜひ聞きたい。多大なる犠牲を生み出し、日本を破滅へと導いた戦争指導者が「祖国の礎」であるとは、いったいいかなる意味なのか。あの戦争の責任は、誰がどう取るべきだったと考えているのか。「英霊」「御霊」などの言葉遣いでものごとをあいまいにするのはやめ、「私人」といった使い分けを排して、「魂を賭して」堂々と、自らの歴史観を語ってほしい。
(朝日新聞 「(社説)A級戦犯法要 聞きたい首相の歴史観」 2014/8/29)


安倍首相は書面に、「今日の日本の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉難者の御霊に謹んで哀悼の誠をささげる」と記している。いわゆる“A級戦犯”に代表される政治指導者らが、無謀な戦争へと突き進み、国を破滅させたという、戦後のスタンダードな考え方だろう。
 

日本人自らが「戦争の責任」を語るべき時

こうした歴史の見方については、考えるべき論点がいくつかある。

例えば、米軍の司令官として日本軍と戦ったマッカーサー元帥は、戦後に議会で次のように証言している。「日本が先の戦争に突入したのは、主に自衛の目的だった(Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.)」。対米戦争に突き進んだ時期に、日本はアメリカなどから石油の禁輸といった経済制裁を受けていたが、マッカーサー自身が日本の自衛戦争だったと認めているのだ。

もし仮に先の戦争が「自衛戦争」だったのだとすれば、この社説に出てくる「戦争の責任」とは何なのだろうか。確かに、戦略のまずさによって多くの犠牲者を出し、結果として日本が焦土と化したのは事実だ。しかしその責任を問うならば、「どうしたら自衛という国益を守れたか」「負けない戦いをするためには、どうすべきだったか」という論点で、日本人自らが判断を下すべきではないだろうか。

「A級戦犯」といった名称は、日本を占領した連合国側が「平和に対する罪」などの罪状の名前を戦後に作ってつけたものである。それに振り回されて、「戦争の責任」についての議論を、連合国が一方的に行った東京裁判の基準に丸投げしてしまうのは、日本人としての健全な議論と言えるのだろうか。

こうした議論も踏まえて、安倍首相はどのように自らの歴史観を語り、それを内外に示すのだろうか。戦後70年の節目が迫っている。

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