2014/09/12    01:24

朝日の「反日無罪」が崩れた社長会見

「吉田調書」の報道をめぐって、朝日新聞が社長の謝罪会見にまで追い込まれた。先日の慰安婦問題の検証記事と合わせて、戦後日本の分水嶺と位置づけるべき出来事だろう。

戦後の言論界をリードしてきた発行部数第2位の朝日新聞はこれまで、歴史認識問題などで日本の加害責任を強調する報道を続けてきた。この夏の一連の報道問題は、「日本人は悪い」というイメージを植え付ける報道姿勢に、疑問を投げかけたとも言える。

 

「伝言ゲーム」を言わず「命令違反」を誇張


11日の記者会見で、朝日新聞の木村伊量社長と杉浦信之取締役は、5月20日に朝日新聞が報じた「吉田調書」の記事を取り消すと発表し、謝罪した。

この記事は、同紙が政府の事故調査委員会による吉田昌郎・福島第一原発所長(事故当時)の聴き取り調書(吉田調書)を入手し、「福島第一の原発所員、命令違反し撤退」という見出しを掲げたもの。吉田所長の「第一原発内に待機」という命令に違反し、所員が10km離れた第二原発に避難していたという内容だ。

朝日新聞はこれまで「原発反対」を掲げて、福島の事故を詳細に報じてきた。記事について杉浦取締役は「意図的なねじまげなどはありません」と強調したが、「吉田調書」の内容を、社の主張にとって有利なように意図的に解釈して伝えたという疑念が晴れることはないだろう。

政府が11日に公開した吉田調書の中で、吉田所長は、所員が第二原発へ向かったのは「伝言ゲーム」で命令がうまく伝わらなかったからだと述べており、命令違反という認識を示していない。しかし、朝日新聞は記事で「伝言ゲーム」の部分を省略して書き、所員が所長命令を無視したかのような印象を誇張してしまった。

 

日本人を貶めた吉田調書と吉田清治の報道


事実のねじ曲げが疑われるのは、誤報によって日本のイメージを貶めたという意味で、歴史認識問題と本質が変わらないからだ。朝日新聞の吉田調書の記事は、原発所員が放射線を恐れて逃げたかのような誤った印象を内外に与えてしまった。

この報道を受けて、それまで命を懸けて事故処理に当たった原発作業員を「フクシマ・フィフティーズ」と称賛していた海外メディアも「パニックを起こした作業員が、福島原発から逃げ出していた」(米ニューヨーク・タイムズ紙)などと報じた。朝日の報道は、英雄的な行動をした日本人を臆病者に引きずりおろしたのだ。

すでに朝日新聞は8月、戦時中に朝鮮半島から女性を強制連行し、日本軍の慰安婦にしたという吉田清治氏の証言について、誤りであったことを認めている。「日本人は英雄ではなかった」「日本人が悪かった」という印象を与えた2つの誤報記事について、朝日が続けて取り消しを行う事態となったことは何とも象徴的だ。
 

慰安婦問題の路線変更が次の焦点



次の焦点は、朝日新聞がいつ慰安婦問題についての主張を転換するかだろう。吉田証言を誤りと認めた後も、朝日新聞は「慰安婦問題の本質は強制連行ではなく、慰安所で自由を奪われた女性がいたことだ」という主張を変えていない。しかし、ここには論理のすり替えがある。

慰安婦問題はそもそも、女性を強制連行したという吉田証言が出てきたため問題になったものだ。ところが、1990年代に吉田証言の信憑性に疑いが出ると、朝日新聞は女性の人権という広いテーマにこの問題の論点を移してしまった。

今日では、民間業者が慰安婦を募集し、慰安所を運営していたことが明らかになっている。慰安婦とは給料をもらって軍人を相手に働いていた高級娼婦であり、慰安婦問題は日本が政府として謝罪し、賠償する性質のものではない。

朝日新聞が8月に掲載した検証記事は、吉田証言の誤りを認めながらも、「問題の全体像がわからない段階で起きた誤り」などと開き直る箇所も目立ち、逆に批判を大きくしてしまった。一部言論人からは、同紙の廃刊を求める声も出ている。報道が外交に与えた影響も含めて、国民が納得いく包括的な検証と謝罪をしなければ、再起は難しいだろう。
 

戦後70年の歴史観見直しに向けた号砲なのか




この夏の朝日報道問題はまた、マスコミ業界も競争原理にさらされるようになったことを示した。慰安婦問題で朝日新聞がわざわざ検証記事を発表しなければならなくなった背景には、産経新聞などが慰安婦問題や河野談話発表の経緯などについて、丁寧に報じてきたこともあるだろう。

上智大学の渡部昇一・名誉教授は、10月号の月刊「WiLL」で次のように述べている。

「新聞社同士の喧嘩で正義を貫いた産経新聞が勝った」のであり、虚報をここまで引っ張った朝日新聞と、事実によって朝日新聞を追い詰めた産経新聞の威信(プレステージ)は逆転したと言ってもいいのではないでしょうか。
(月刊「WiLL」10月号 「朝日新聞 終わりの始まり」)

吉田証言の信憑性が疑われ始めてから22年が経つが、朝日はとうとう記事を取り消すところまで追いつめられてしまったことになる。慰安婦問題の他にも、南京事件や靖国問題などテーマは尽きないが、「日本人は悪かった」という結論に当てはめて報じてきた朝日新聞が、従来の報道姿勢を貫くことができなくなっているということではないだろうか。

そうなれば今度は、歴史的な事実関係を脇に置いて「日本が悪かった」とただただ謝ってきた外交姿勢を、政治の側が改める番になる。来年は戦後70年の節目に当たり、安倍政権が政府の新たな歴史認識を示す談話を発表するのではないかという憶測も絶えない。

日本が戦後の歴史認識にけじめをつけるための準備は、着々と整ってきているのかもしれない。

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