2015/05/22    15:00

銀行マンも気づかない銀行マン性格

経営者になると必ずと言って良いほど銀行とのおつきあいが生じます。経営者の皆さんは、運転資金を借り入れたり、設備投資をするための事業計画を作ったりされたことが少なからずあると思います。 もちろん筆者も経験があります。
 
松下幸之助氏はダム経営を提唱しました。銀行に頼らず自ら資金のダムを築き、限りなく無借金経営を実現することは企業にとって、ひとつのあるべき姿です。しかし松下電器もトヨタも最初から潤沢な運転資金によるダム経営を実現できたわけではありません。努力に努力を重ねた末の結果であることは間違いないと思われます。
 
筆者自身は過去に銀行のシステム開発・運用に10年以上携わった経験があります。そこでお会いした銀行関係者の方々との仕事を通して「銀行マン」の性向の一端を垣間見る機会を得ました。「職業が人をつくる」と言いますが、なるほど外部の人間から見ると、銀行の方々には銀行業界独特の考え方や行動の傾向性があるようです。(もちろんどの業界も例外なく外部から見ればなんらかの傾向性があるはずです)
 
「敵を知り己を知らば百戦危うからず」です。
銀行とおつきあいするならば、業界の常識や価値観、カルチャーは知っておくに越したことはありません。
 
以下、元銀行マンから見た銀行マンの性格についての考察をご紹介いたします。
銀行とのおつきあいをする上で参考になるかと思います。

【銀行マンも気づかない銀行マン性格】
 
第1条 すべてを守りから考える
 
第2条 女性的な面が思い出される
 
第3条 独占欲が強い
 
第4条 エリート意識が強い
 
第5条 理想より現実好みである
 
第6条 冒険ぎらいである
 
第7条 見栄張りだが見栄張りぎらい
 
第8条 入ることより出るのを抑える
 
第9条 観察力が鋭い
 
第10条 意欲型人間を好み退嬰型人を極端にきらう
(井原隆一 『銀行借入に強くなる本』 銀行研修社)

筆者は、自分自身の実体験からこの洞察に大変納得しました。
各条文の詳細をお伝えしたいところですが、長くなりますので掻い摘んでお伝えします。
 
第1条「すべてを守りから考える」に関連する特徴をあげると、確かに筆者の過去の経験では、銀行マンのシステム要件は「すべて守りから考え、一貫した性悪説」でした。そして信用失墜につながる「風評被害」を何よりも恐れていました。

第5条「理想より現実好み」は「将来の1億円より、現在の10万円」を大事にする傾向にあらわれています。その証拠に、将来の大きな事業構想を語っても銀行マンはその手の話にはほぼ乗ってきません。「取らぬ狸の皮算用」はしないのです。それよりは月10万円の定期預金契約を喜びます。当然ながら投資回収期間が長い提案は最初から受け入れません。

第7条「見栄張りだが見栄張りぎらい」も興味深い点です。融資を依頼する場合、服装は質素で清潔なほうが好まれ、見栄張りだと銀行マンはそれだけで敬遠します。

第9条「観察力が鋭い」についても筆者は過去に経験があります。当時おつきあいをさせていただいた融資担当の方はこう話していました「事業が少し成功したあたりで、奥さんの服装が派手になり、ベンツを乗り回し、本業とは別に飲食店経営に手を出し始めた経営者はだいたい終わりです」。これが銀行マンの人物評価の一例です。   
第6条「冒険ぎらいである」もそうですが、銀行マンは全体的に極めて保守的であることが大きな特徴です。これは銀行が「政府が発行する「貨幣」という「貸付や投資による低利息の価値を生むことしかできない商材」を扱っていることに由来するようです。

銀行には自らがマーケットのニーズを発見して新たなサービスを構想し、そこに資本を投下して価値を生み出すという発想がありません。これをすれば銀行業ではなくなりますので当然と言えば当然ですが、このため融資先の事業の有望性に関してはあまりわからないようです。

面白いことに、融資先の事業そのものの審査については、別途、保障協会に審査を委託し、保障協会の保障をつけてリスクを回避したりします。このように「必ず帰ってくるお金しか貸さない」という発想ですので、当然ながら新たな需要を創造できる企業家を見抜き、銀行がリスクを負って投資するという冒険はしません。 
 
こういった背景を考えると「ではなぜ横並びのサービスのみを提供する銀行が、これだけたくさん存在するのか」という素朴な疑問も出てきますね。ゼロ金利が続く現在の経済状況では、貨幣を持っていてもほとんど価値(利息)を生まない状況ですので、銀行業界も担保主義だけではなかなか経営が大変だろうな、などと考えてしまいます。

いずれにしても銀行マンとのおつきあいの方法は、経営者にとって知っておいて損はないことは間違いありません。

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