2016/12/02    12:47

ビール類の税制一本化で、景気冷え込む?

政府・与党は、酒税の見直しを検討している。

現在、「ビール」「発泡酒」「第三のビール」の3種別に設定されている税率が、2026年10月に統一される予定だ。同様に、「日本酒」「ワイン」「酎ハイ(ハイボール)」も統一される。12月にまとめる、来年度の税制改正大綱に盛り込む予定だ。

若者がビールや酒を飲まなくなったと言われる中で、生き残りをかける酒造メーカーは、原料に含まれる麦芽の量を減らしたり、麦芽以外の原料を使うなどして、税率の低い「ビール風味」の飲料を、競うように開発してきた。

その結果、若者だけでなく、長年の不況に苦しむ消費者が、こぞってビール以外の飲料を買うようになり、発泡酒や「第三のビール」はすっかり市民権を得た。消費者心理に寄り添った涙ぐましい企業努力だと言える。

ところが、ここにきて政府は、安さを求める消費者心理に逆らい、企業側の創意工夫を否定するように、よく売れている安いアルコール飲料の税率を上げるというのである。現在は高めに設定されている「ビール」や「日本酒」の税率が下がっても、単価は高いため,一気に売り上げが増えるとも思えない。単純に平均しても、全体では増税感が強い。

酒類は嗜好品である。消費者は、「より安い」商品を買う選択肢が無くなれば、「買わない」という選択をすることもできる。消費税増税によって、国民の消費活動が落ち込んでいる例を挙げるまでもなく、なかなか収入が増えない国民が「値上げ」に対抗する手段は、財布のヒモを固く締めることしかない。

税率が統一されることで、酒造メーカーも逃げ道がふさがれる。企業と政府との、税制をめぐる“いたちごっこ”は終わるかもしれないが、企業の業績そのものが悪化しないか心配だ。

酒税に限らず、たばこ税や自動車関連税など、はっきりと目に見えない形で国民生活の自由を奪う“いじめ”のような税制は、いい加減、どうにかならないものか。

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