2016/06/22    15:03

参院選、国防を問わなくてもいいのか?――南シナ海、東シナ海で活発化する中国の動き

日本では、「舛添問題」に隠れて詳しく報じられなった感があるが、シンガポールで3~5日に開催された「アジア安全保障会議(シャングリラ対話)」において、人工島を建設するなどして「一方的な力による現状変更」を続け、南シナ海での領有権を主張する中国に対して、他の参加国から非難が相次いだという。

カーター米国務長官は、「自らを孤立させる万里の長城(Great Wall of self-isolation)」を築くことになると警告し、日本の中谷元・防衛相も「原則に基づく海洋秩序を著しく逸脱している」と批判した。

それに対し、中国側は「ある国は『航行の自由』を都合良く解釈して武力をひけらかし、徒党を組んで中国に対抗している」などと、強く反発した。フィリピンは南シナ海での中国の領有権の主張に対して、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所に提訴しているが、中国は「受け入れない」という姿勢を崩していない。

また、14日に中国・雲南省で開かれた中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別外相会合で、南シナ海情勢についての「深刻な懸念」を表明した共同声明の発表が撤回された背景には、中国の「圧力」があったとの見方も出てきている

最近、中国は、日本の領海や接続水域内に軍艦を侵入させたり、実効支配下にあるインド北東部アルナチャルプラデシュ州に人民解放軍を侵入させたり、南沙諸島海域でベトナム漁船を小型高速船で威嚇するなど、近隣諸国の包囲網に反発する動きを活発化させている。

日本政府は、中国軍艦が自国の領海内に侵入したことに対して抗議はしているが、今後、中国が行為を激化させた場合に、どのように対処するのかを具体的に示してはいない。

中国に関わる問題は、すでに日中、あるいは同盟国であるアメリカと中国という二国間だけではなく、東南アジア、東アジア諸国全体の安全保障にかかわるものとなっている。

安倍政権は、「アベノミクスを加速させる」の一点張りで、参議院選挙の争点に国防問題を入れるつもりはないようだが、もはやそんな悠長なことを言っている場合ではなさそうだ。やはり憲法九条を正面から問うべきだろう。

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