佐々木 秀憲

キリストの「天なる父」とは誰か

「三位一体の礼拝」

人類はいかにして創造されたか

アダムを創造するエロヒム

解釈の難しい作品に秘められたもの

2015/06/08  10:00

ヴェネツィア派の巨匠ジョルジョーネによる、雲、雷、そして木立と風の緊張感が巧みに描写された代表作。 注文主のヴェネツィア貴族ヴェンドラミン邸の記録に《嵐とジプ…

「テンペスタ」に見る神秘の研究

使命を自覚し聖女になる瞬間

2015/06/01  10:00

信仰の奇跡で法悦に浸るアビラの聖テレサ(1515~82)の姿を大理石に刻んだ、巨匠ベルニーニによるバロック芸術の傑作。 天使が現れ黄金の槍で心臓を貫き、十字架…

アビラの聖テレサ像に見る「法悦」

ミケランジェロの構図の美

2015/05/25  10:00

ローマ教皇専用の礼拝堂の正面祭壇壁画として描かれたあまりにも有名な作品。齢60のミケランジェロが福音書の「マタイ伝」および「マルコ伝」による「最後の審判」を独創的な…

聖書から400人以上が登場する「最後の審判」

救いを求める平安時代の精神を映した「釈迦金棺出現図」

2015/01/18  08:00

釈尊復活の絵はご存じだろうか? 本作品の典拠となった『摩訶摩耶教』によれば、釈尊の生母の摩耶夫人は釈尊誕生後7日後に産褥熱でなくなり天上界にあったが、釈尊入滅…

復活キリストではなく釈尊

ドラッカーの水墨画収集はここから始まった

2015/01/12  07:00

「マネジメントの父」として知られる経営学者のピーター・F・ドラッカー博士(1909~2005)が、水墨画のコレクターであったことを知る人は意外と少ない。 19…

水墨画コレクターのドラッカーが衝撃を受けた「達磨図」

中国絵画の影響が見えるルネサンス期の作品

2015/01/11  08:00

大天使ガブリエルがナザレのマリアのもとに降り跪いて、神の御子を懐妊したことを伝える受胎告知の場面。 ガブリエルは右手に処女のしるし白百合を持ち、マリアは驚きと…

「受胎告知」のシーンに見る「聖母の気品」

古賀春江の最も有名で、もっとも「らしくない」作品

2015/01/09  08:00

空を飛ぶクジラのような飛行機、海に浮かぶ帆船、抽象的に描かれた工場、深海を航行するシャチのような潜水艦、右手を上げる水着姿のモダンガール。 複数の画面がモンタ…

日本のシュルレアリストが描いた不思議な明るい世界

ルネサンス絵画の背景にメディチのもたらしたヘルメス文書の影響も

2015/01/06  08:00

ルネッサンス期からバロック期への過渡期マニエリスムの画家ポントルモが描いた作品。 復活したイエスが、エルサレム近郊のエマオという町に向かう二人の弟子の前に現れ…

「エマオの晩餐」弟子でさえすぐに気付かなかったキリストの復活

前菜の語源になったルネサンス画家の世界観 

2015/01/04  08:00

ヨーロッパを旅して、イタリア料理の美味しさを堪能した方は多いことだろう。 前菜のカルパッチョとイタリア・ワインのコントラストは、まさに人生を彩る芸術である。 …

カルパッチョはいかが?いえ、料理ではなく絵画です。

数ある平安仏画の白眉

2015/01/02  16:00

五仏宝冠を戴き、六牙の白象の背に設けられた蓮華座に合掌して座る普賢菩薩像。 頭上には宝相華からなる天蓋が描かれ、芳しき花を降らせながら菩薩が現れた様を荘厳し、…

「普賢菩薩絵像」に見る「菩薩の品格」

知性の復活を表したラファエルロの代表作

2015/01/01  07:00

人類の知と徳のすべてを描いたとされているのが、ラファエルロによる本作品。 画面中央のプラトン(赤い衣)とアリストテレス(青い衣)が最も深奧に描かれ、高い階段を…

有名な「アテナイの学堂」のテーマは、サムシング・グレート?

恋人と別れたばかりのモデルはピカソの前で実際に泣き出した

2014/12/31  15:00

悲しみのあまり激しい表情で泣く女性を描いた作品。 激しくぶつかり合う色彩が奏でる不協和音。 大胆に走る黒の描線。 泣いてはいるが、弱々しさや陰惨さ…

涙を乗り越えてピカソの『泣く女』を見

ゴッホが糸杉に見出したオベリスクのような美しさ

2014/12/29  07:00

天高く伸びていこうとする糸杉を描いた作品。 ファン・ゴッホによる糸杉の連作の最初のものとして知られる。 彼の日記には「エジプトのオベリスクのように美しい…

伸びゆく「糸杉」は創造的に表現する勇気の大切さを教えてくれる

竹林精舎を釈尊に寄進した王が結んでいた、仏の道への約束

2014/12/28  18:00

釈尊(画面中央)が、頻婆娑羅王(その右の人物)から竹林精舎を寄進される場面を描いた作品。 王は大悟前の釈尊に出会ったことがあり、自分に代わって国を治めてほしい…

偉大な仏伝に技巧は不要王と仏陀との約束とは

独ロマン派フリードリヒもオーケストラもマイセンも、育てたのはエルベ川とバロック

2014/12/22  07:00

エルベ川沿いのフィレンツェとされ讃えられる芸術の都ドレスデン。 荘麗なバロック様式の宮殿がそびえ、オーケストラが誕生し、マイセン磁器がこの街から誕生した。 …

「エルベ川の夕暮れ」が描く双曲線上のユートピア

尾形光琳ら琳派が受け継いだ風神雷神図

2014/12/21  07:00

金色の背景に、右に風神を左に雷神をダイナミックに描いた二曲一双の屏風。 描いたのは、京都の呉服商雁金屋の次男として生まれた尾形光琳。 江戸時代に活躍した…

釈迦三尊像に見立てた色彩のイコノロジー

禅門に入った雪村が描く仙人

2014/12/15  07:00

四方八方へと竜巻のごとく吹き荒れる風の中に立つ中国の仙人・呂洞賓を描いた図。 自ら手にする壷の中から現れ、波間にある龍の頭上に立って、天空の龍を、目を見開いて…

龍に立ち向かう仙人の気迫と勇気

ユネスコ世界遺産になった富士山は日本人の信仰の山

2014/12/14  13:00

富士山をテーマに、仏教と神道の神仏習合信仰を曼荼羅として大和絵風に描いた傑作。 画面上部に三峰形式の富士山があり、右に日輪、左に月輪を配している。 山腹…

富士山は、日本人の凛とした精神性の象徴

源頼朝の肖像は足利直義だった? 日本史教科書から消えた名画

2014/12/11  17:00

張り出した強装束の肩から直線的に下りる袖が、畳の上の人物の威厳と風格を象徴する、世界的に評価の高い肖像作品。 袍と呼ばれる黒い上着には、濃い同色の唐草模様が細…

源頼朝はどんな容姿だったのか深まるばかりの謎

ディズニーの名言につながる夢の力 ルソーとピカソをつないだもの

2014/12/08  07:00

熱帯の密林にソファーの女性が参入してきたかのような作品。 蛇使いの笛の音に誘われたのだろうか、ライオンや象、極楽鳥やヘビの姿もある。 熱帯植物のモチーフ…

日曜画家がピカソに褒められるまで夢の力が未来をひらいた

重要文化財 奈良の高松塚古墳から感じる紀貫之の世界と宇宙の営み

2014/12/07  13:00

飛鳥美人として有名な《女子群像》。石室の壁には男女計16人と青龍・白虎・玄武や日月などの各図が描かれ、天井には天球を分割した28星宿図が描かれている。 高貴な…

高松塚古墳のミクロとマクロの一致による宇宙芸術

ゲーテもニーチェも題材にした、パンドラの箱に残った希望

2014/12/02  16:00

花々の咲き乱れる園に立ち、小箱の蓋をまさにあけようとしている女性を描いた作品。 パステルが奏でる鮮やかな色彩は、幻想の画家ルドンが晩年に到達した境地である。 …

「幻想の画家」が晩年に到達した境地とは「パンドラ」に込められた意味

ルネサンス ダビンチのモナリザから考える「美」とはなにか

2014/12/01  13:00

ルネサンスの天才レオナルドによる名画中の名画、世界で最も美しい絵画ともいう。 輪郭線を描くことなく、薄い絵具を丹念に重ね塗りするスフマート技法は超人的な領域に…

古代中国からルネサンスから現代へ「美」は聖なるものから来る

ゴッホ/ローヌ川の星月夜

2014/11/12  20:00

青緑の夜空に華やかな光芒を放つ天井の星々と、川面に映える強烈な光を燈す地上のガラス灯とのコントラストが印象的な作品。 岸辺にたたずむ二人は恋人同士であり、宇宙…

人は何故、星の輝きに魅せられるのだろうか。

「グランド・ジャット島の日曜の午後」

2014/11/03  13:45

新印象派の旗手スーラによる、パリのセーヌ河に浮かぶ細長い島「グランド・ジャット島」で夏の余暇を過ごす人々の情景を描いた、きれいな作品。 小さな原色の点が多様な…

聖性と美

美のオーラ ミロのヴィーナス

2014/10/28  11:05

《ミロのヴィーナス》 パリ・ルーヴル美術館が誇る三大美女の一つとして、あまりにも有名な作品。 現ギリシャ領ミロス島で発見されたことにより、ミロのヴィーナスと…

美のオーラミロのヴィーナス

名所江戸百景 亀戸梅屋鋪(かめいどうめやしき)

2014/10/19  00:49

《名所江戸百景 亀戸梅屋鋪(かめいどうめやしき)》 空の赤、地の緑、梅木の黒褐色など、原色の鮮やかさが印象的な作品である。 タイトルの「亀戸梅屋鋪(かめいど…

美は東方より来たる

AUTHOR

佐々木 秀憲
美術評論家
1961年佐賀市生まれ。
大英博物館日本美術部客員学芸員(2000)、
オックスフォード大学アシュモレアン美術館客員研究員(2001)を歴任。
東西美術の交流を専門とする美術史家
慶應義塾大学大学院前期博士課程修了
中世から現代に至るまでの東西芸術史の人文科学的考察に関する論著多数。

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